October 20, 2005

地球を彫刻した男「イサム・ノグチ展」に行きました

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  イサム・ノグチ展

東京都現代美術館で開催されている「イサム・ノグチ展 彫刻からデザインへ-その無限の創造力」へ行きました。

 

この展覧会はイサム・ノグチがデザインした札幌の「モエレ沼公園」のグランドオープンにあわせ、多様な展開をしめしたイサム・ノグチの芸術を総括的に捉え、芸術によって日常に豊かさをもたらせたい、と切望していたノグチの世界を、多彩な作品とともに体感できる日本初の大規模な回顧展です。

 

イサム・ノグチの作品は彫刻にとどまらず、照明や家具のデザインから舞台芸術や公園の設計まで多岐に渡っており、今回の展覧会ではニューヨークのイサム・ノグチ財団・香川県のイサム・ノグチ庭園美術館所蔵の作品を中心に、彫刻、絵画、和紙や竹を用いた照明デザインなど46点が展示されています。

 

「現実に役立つもの、人々の生活に役割をもつものの創造が私の彫刻である」という言葉に象徴されるように、彼の芸術に対する考え方は、建築も橋も道路もすべて大地の彫刻であり、彼の彫刻作品は、彫刻とその周りの環境、そしてそこを訪れる人々すべてが一体となって、初めて芸術として完成されるというものでした。

 

プランや模型が展示されている「モエレ沼公園」(後述します)は、ノグチが最晩年に力を注いだ公園で、ひとつひとつの細部までこだわり、全体をひとつの彫刻作品となるように設計したこの広大な公園は、まさにノグチが目指した芸術の理想を実現させたものです。

 

展覧会では、最初に展示されている“2mのあかり(第42回ヴェネツィア・ビエンナーレにアメリカ代表として参加したノグチが「光の彫刻=ライト・スカルプチャー」として出品した作品)がまず目を引きます。岐阜提灯に触発されて生まれた、“光を素材にした彫刻”とも言えるノグチの「AKARI」は200種を超えますが、そのなかで最大を誇るのがこの作品だそうです。「私は和紙が投げかける光と影を通じて、その真価を広めたかった」と彼が言っているように、外国育ちのノグチには、行灯など和の生活様式がとても興味深かったようです。作品を観ていると、和の文化の中に自らのアイデンティティを求めようとしている、日系アメリカ人であるノグチの想いが反映されているように感じられました。

 

今回の目玉は、イサム・ノグチの最高傑作と呼ばれている外光溢れる館内の吹き抜け(天井高19m)に置かれたエナジー・ヴォイド(高さ3.6m,重さ17トン)。イサム・ノグチの晩年の製作拠点だった香川県牟礼の住居兼アトリエ(現イサムノグチ庭園美術館)に展示されており、門外不出といわれていた作品です。

 

ヴォイドとは虚空・空虚の意味です。一見単純なフォルムなのですが、ふしぎな光沢があり(スエーデン産の黒花崗岩でできているそうです)、光の角度や見る角度によって、光を全て反射してしまうのでもなく、しかし光を吸収して真っ黒になってしまうのでもなく、変幻自在の輝きで、ずっと眺めていたい彫刻でした。そして見ていると不思議と元気が出てくるような彫刻でした(周りに椅子がおいてありますので、ゆっくり鑑賞できます)。

 

 ミラー”“道化師のような高麗人参などのインターロックスカルプチャー(連結彫刻:切り抜いた紙などを立体的に組み合わせたような作品)はブロンズでつくったものとは思えない軽やかさ、で楽しい気分になりました(黒い紙をつかったワークコーナーも楽しいですよ!)。製作にはいつも真剣だったけれど、人を笑わせるのも好きだったというようなノグチのチャーミングな性格を、愛嬌のある彫刻を観ていると感じることができます。

 

先日、札幌にオープンしたばかりの「モエレ沼公園」に行ってきました。

 

「モエレ沼公園」は、彼がこの世を去る1ケ月前に基本設計を完成させた遺作で、没後も彼の遺志を引き継ぎ、17年の歳月を経て今年7月に完成した、イサム・ノグチ最後にして最大の作品です。

 

滑り台やブランコといった遊具はもちろん、ピラミッドのように石の階段が続くプレイマウンテン(高さ30m、階段99段)、ルーブル美術館のオマージュであるのかガラスのピラミッド(でもイサム・ノグチらしいのは見る角度によってピラミッドの形がかわること)、噴水やモエレ山(標高72mのモエレ山、平地ばかりの札幌市東区で初の「山」として国土地理院の地図にも記載されたそう)に至るまで、189ヘクタール(歩いて回るには広すぎるので、レンタサイクルもあります)にも及ぶ公園全体が、ノグチのマスター・プランに基づいて作られています(ちなみに、彼は 「モエレ沼公園」の原型となるプレイマウンテンのアイデアを1930年代にNY市に提案したのですが、時代に先駆け過ぎて全く相手にされなかったそうです)。

 

公園で一番感動したのは、定期的に行われるショー海の噴水(ショーの中盤くらいから何故の噴水と名付けられているかが分かってきます)。噴水を40分ひたすら観るだけなのですが、バリエーションが限られている“噴水”という形態で、しかも音楽もない中で40分も観客を引き付け続けるのはすごいです。これは水の彫刻だ、と思わせる素晴らしい噴水でした(25mの高さまで水を噴き上げたり、水の塊がうねるように回転するダイナミックな動きは、ブルーの彫刻のようで、大好きな映画“惑星ソラリス” の海を彷彿させるものでした)。 

 

東洋的な美意識と西洋の文化の融合、壮大なスケール、洗練、繊細さを兼ね備えたイサムノグチの魅惑的な彫刻の世界を、皆さんも是非体験してみて下さい!

(以下東京都現代美術館のサイトから)

【開催日】2005年9月16日(金)〜1127日(日)
【開催場所】東京都現代美術館
【開催時間】午前10時〜午後6時
【休館日】月曜日
※ただし919日、1010日は開館、翌火曜日休館
【料金】一般:3000円
    大学・専門生:900円
    中高65歳以上:500円

 

 

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この記事へのコメント
イサム・ノグチさんって知らなかったです。

パンフレットの写真見ただけでも、
独特な感じしますね。

生で見たらもっとすごいんでしょうね^^ぽちっ
Posted by 笑顔整体の院長 at October 20, 2005 11:36
TBどーもです。
モエレ沼公園気持ち良さそうですね。

海の噴水ショーよさそうですね。
音楽がないからいいのかもしれませんね。
水の音響も彫刻の一部かもしれません。
Posted by しょぼりんご at October 20, 2005 12:31
笑顔整体の院長さん、こんにちは。

是非東京にいらした際には見ていただきたいです^^

Posted by インフォシェルジュ at October 20, 2005 13:49
しょぼりんごさん、こんにちは。

ご訪問有り難うございます。
音楽、光のショーみたいだったらよくなかったですね。
おっしゃる通り、水の音響も彫刻の一部でした。

意図的が偶然かわかりませんが、大きな虹も出来て綺麗でした。

今後共どうぞ宜しくお願い致します。
Posted by インフォシェルジュ at October 20, 2005 13:51
こんにちは。
コメント&TBありがとうございました。

モエレ沼公園にも行かれたのですね!!
羨ましいです。
MOTのイサム・ノグチ展を見た方の
大部分がきっと北海道へ行く計画を立てたのでは…
勿論、私もその一人です。
Posted by Tak at October 20, 2005 16:32
Takさん、こんにちは。

私の場合はもともと三連休に札幌に行く予定があったので、いそいでMOTのイサム・ノグチ展を観にいきました。
行った日はお天気だったので混んでいました(レンタサイクルも40分待ちでした)。

10/28-11/27までガラスのピラミッド内で“イサム・ノグチデザイン展”があるそうですので、その時期に行けたらいいですね。

またジンギスカンがお嫌いでなければ、札幌の人おすすめ(観光客の人はほとんどいません、BRIOにも載っていましたが)の月寒の“じんぎすかんクラブ”に是非行ってほしいです。

“じんぎすかんクラブ”
札幌市豊平区月寒東3条11丁目2-5
011-851-3341・8014

それでは、また^^
Posted by インフォシェルジュ at October 20, 2005 17:12
こんばんは
コメントありがとうございました。

作品数がおさえてあって、ゆったりとした時間が過ごせる、
とてもよい展覧会でしたね。今日の新聞で入場者が五万人
を越えたとありました。できれば空いている時にもう一度
行きたいのですが...

展覧会などの感想を適当に書き散らしているので、また、
お時間があるときに寄ってみてください。

ではでは。
Posted by lysander at October 21, 2005 00:47
初めまして。トラックバック有難うございました。

このエントリだけでなく、毎回素敵な情報がぎゅっとつまっていて、素晴らしいブログですね。

とても参考になります。

今後共宜しくお願い申し上げます。
Posted by 両国さくら at October 21, 2005 01:28
lysanderさん、こんにちは。

ご訪問有り難うございます。
素敵なブログですね。
これからもご訪問させて頂きます
Posted by インフォシェルジュ at October 21, 2005 19:27
両国さくらさん、こんにちは。

ご訪問、嬉しいコメント有り難うございます。
そちらにもこれからご訪問させて頂きますね!
これからも、どうぞよろしくお願い致します。
Posted by インフォシェルジュ at October 21, 2005 19:29