June 23, 2005

コクーン歌舞伎「桜姫」観ました!

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桜姫

「コクーン歌舞伎」は、1994年の「東海道四谷怪談」を第一弾として、渋谷のシアターコクーンの空間を使って(一階席前方の椅子を取り払って平場席を作り、役者さんがその客席を分け入って歩いたり、客席の隣に座っていたりと、役者さんをかなり至近距離で感じられます)歌舞伎座の歌舞伎とは一味違う、現代感覚の歌舞伎を目指してきました(歌舞伎座では行わない本水を入れた立ち回りや、本物のパトカーを登場させたりといった演出もコクーン歌舞伎ならではです)。

2年ぶりの第6回目となる今年の演目は東海道四谷怪談の作者として有名な四世鶴屋南北の傑作「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」(昨年玉三郎さんが昨年20年振りに上演したというほど、上演頻度は高くない演目です)を「桜姫」とシンプルな名前にして今回コクーン歌舞伎に初登場です。

 

1回目から5回目までは勘九朗さんが主演でしたが、今年は勘三郎襲名興行があるので福助さんが主役でした。

 

物語は高貴な姫の流転物語。悪人に暴行され、子まで出来た揚げ句に遊女に身を落とす桜姫。今回の串田和美さんの演出は、この名高い演目を見世物小屋の出し物としてみせていました。口上役は、あさひ7オユキ(朝比奈尚行)さんがそのままの髪型で、めがねをかけて登場します。

 

桜姫は福助さんがずっと憧れていた役らしく、気合を感じました。昔の振袖をきると、元の姫に戻るのが綺麗。お姫言葉と女郎言葉がちゃんぽんになるせりふは秀逸でした(福助さんの真骨頂ですね)。

 

ならず者権助と女々しい高僧清玄の二役を、橋之助さんが演じています。ただ、江ノ島稚児ケ淵の場(高僧清玄は、かつて稚児白菊丸と江ノ島稚児ケ淵で心中を図り、独り生き残った。そして桜姫は白菊丸の生まれ変わり)を削ったせいか、両者の差が際立たなかった気がします。また早変わりも見所のひとつだったと思うのですが、勘三郎さんみたいにコミカルでかつ見せ付けるようにやっても良かったのではと思いました(芸風が違うからかもしれませんけどね)。

 

坂東弥十郎さんと中村扇雀さんの悪巧み老夫婦は面白かったです。特に扇雀さん歌舞伎座では絶対しないことをされていましたね(笑)。コクーン歌舞伎ならではの演出でした。それに比べると、主役の桜姫・権助・清玄などは、見世物小屋の雰囲気とは一線を画す、正統な歌舞伎を演じていた印象でした。

 

ラストは幽霊の清玄から権助こそが敵だったことを聞いた桜姫が、権助を殺し、乳飲み子を抱えて家を飛び出した瞬間、黒幕が切って落とされ満開の桜が目の前に広がります。ライティングも明るくなりすごく綺麗(これもコクーン歌舞伎ならではの演出ですね)。

真相を知り、すべてを断ち切る決意を固めてお家復興の決意を感じされる姿は福助さんにぴったり。サックスの演奏が流れる桜の紙吹雪が舞う中、狂乱の舞いを踊って幕が閉じます。

 

ただちょっと残念だったのは、今までのコクーン歌舞伎のような明るい悪ふざけがあまりなかったことですね。勘三郎さんの襲名興行と重なったことが少し影響しているのかもしれませんね。

 

 

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公家の息女である桜姫が、宿場女郎にまで身を堕とすも、最後には家宝を取り戻してお家を再興するという、四世鶴屋南北の戯作。 演出はもちろん串田和美。 桜姫を福助、釣鐘の権助と清玄の二役を橋之助が演ずる。 *** 桜姫は高貴な血筋に生まれ、類い希な美貌を以て周囲.
『桜姫』二〇〇五渋谷・コクーン歌舞伎/Bunkamuraシアターコクーン【カエルノセカイ】at June 24, 2005 01:26
この記事へのコメント
こんばんは。まさにハマったジャンルですね。全然知りませんでした。
Posted by 福祉法務カフェの高木 誠司 at June 23, 2005 19:43
高木さん、こんばんは。

お忙しい中、コメント有難うございます。
もしご興味があれば、当日券ならあると思いますよ!
(でもきっとお忙しいでしょうけれど...)
Posted by インフォシェルジュ at June 23, 2005 21:26
TBありがとうございました!
私もTBさせて頂きますね。
Posted by 人事ウーマン at June 23, 2005 22:26
TBありがとうございました。
いろいろな方の感想を読めるのは嬉しいです。
Posted by chicchi at June 23, 2005 22:43
はじめまして。TBありがとうございます。
私はコクーン歌舞伎を観るのが初めてだったので、
とにかく感動しました。
Posted by moe at June 23, 2005 23:47
流転物語なんか、かわいそうですね。
それにしても、歌舞伎もいつもながら
詳しいですね。
私もたまに東銀座の歌舞伎座の前で
じーっと、ポスターを見るときが
あります。
いつも人が並んでいますよ。
俳優としてなら、橋之助、坂東八十助と過去
市川雷蔵が好きでした。
Posted by 栗原敏彰 at June 24, 2005 00:36
TBありがとうございました。
たしかに、あんまりおふざけはなかったですね。
千秋楽に近づくにつれ、アドリブが効いてくるのかも知れませんが。
Posted by ささみ at June 24, 2005 01:31
>人事ウーマンさん、こんにちは。
TB有難うございます!

>chicchiさん、はじめまして。
私も色々な方の感想を楽しく読ませていただいております。

>moeさん、はじめまして。
確かにコクーン歌舞伎を初めてご覧になったのなら、すごく感動しますね!

>ささみさん、はじめまして。
確かにそうかもしれませんね。
Posted by インフォシェルジュ at June 24, 2005 06:56