June 13, 2005

「ミリオンダラー・ベイビー」観ました

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MDBaby

米国アカデミー賞で監督賞・作品賞・主演女優賞・助演男優賞を受賞した「ミリオンダラー・ベイビー」を、やっと観に行ってきました!

 

(以下映画の内容に関する部分がありますので、まだご覧になっていない方はご注意下さい!)

 

観終わっての第一印象は、普通の映画一本のテーマになるだけの大きなテーマが、何本も同時に走っていて、しかも各々のテーマが高い説得力を持っている(出演陣の演技がみな素晴らしい!)ことに対する感嘆でした。

 

父を早くに亡くした女性と、娘と仲がうまくいっていない男性の、男女の愛とも父娘ともつかないラブストーリーにも、努力によって掴み取った栄光を、急な落とし穴に嵌ってしまい失ってしまう、いわば人生の暗喩にも、安楽死・尊厳死などの死生観に対する問題提起にも、家族との関係(自分の家族に対する想いが伝わらない悲しみや、家族の醜い部分を見せられたときの心のありようなど)を考えさせられるストーリーにも、いかようにも解釈できる映画でした。映画を観る人によって、心に響く部分は違ってくるのだと思います。

 

あまり前知識を持たずにこの映画を観たので、映画評ではどのテーマにフォーカスしているのかに興味が湧いて、幾つか読んでみましたが、ラブストーリーとして取り上げているものが多かったです。

 

私が一番心に響いたテーマは、死生観の部分でした。イーストウッドが教会で神父に呟く、「殺すことは罪だが、彼女を生かすことは殺すことだ」という言葉は、全身麻痺という状態になってしまった人にしか理解できない苦しみを、親しい人間としてどう和らげてあげられるのか、どうしてあげることが本当にその人のためになるのか、という重い命題に対する、本当に悩ましい葛藤でした。映画でイーストウッドはひとつの答えを出していました(その答えはもちろん現代では犯罪なのですが…)。

 

先日観た「海を飛ぶ夢」(これも素晴らしい映画です!)も死生観がテーマになっていました。あの映画では、全身麻痺になった主人公が自ら毒を飲んで死を選ぶのですが、20年以上も懸命に看病した上で、頑なに自殺を選ぶ主人公を見送る、主人公の家族の心情にもスポットライトが当てられていました。「ミリオンダラー・ベイビー」はこのテーマに対しては「海を飛ぶ夢」に比べるとあっさりと結論を出しているような気はしましたが、それでも安楽死・尊厳死に対して、十分考えさせられるものでした。

 

ただ、ラストのイーストウッドがヒラリー・スワンクと行った店で好物のレモンパイを食べている(もちろん遠くからのショットなので、イーストウッドかどうか明確にはわからないのですが)シーンには、ちょっと違和感。教会で神父に悩みを打ち明けていたシーンなどを観ると、彼は自分のやったことが本当に正しいことだったのか、葛藤に悩まされ続けているような気がします。少なくとも自分の好物を食べながらゆったりした時間を過ごしているように受け取れるあのシーンは、私の中ではちょっと…。

 

全般的に流れているテーマは重いものばかりでした。ただ、同僚に袋叩きにされ、ジムを逃げるように去っていったダメなボクサーが、フリーマンの「誰でも一度は負けることはある」という言葉を胸に、ジムに戻ってきて練習を再開する、というシーン(ありきたりだけれど、妙に心に染みました)を入れてくれたお陰で、最終的な感想は決して暗いものではなかったです。

 

人によって感想は様々だと思いますが、完成度の高さには誰も異論がない映画だと思います。皆さんもぜひご覧になってみてください!

 

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この記事へのコメント
観ました。

生きるってことが悲しくなる映画でした。
今からの自分はいかに後悔なく生きられるだろうって。

血のつながりはどこまで濃い絆なんだろうかって。

人それぞれ感じ方は違うのでしょうがなんだか悔しさもありました。

自分がいかに幸せかも。いっぱい感じるものがありすぎて混乱したほどでした。
Posted by るる at June 13, 2005 12:36
TBありがとうございました。
本当に色々と考えさせられる作品でした。

イーストウッドがこの作品で出した答えは確かに犯罪であるかもしれませんが、誰も異論をはさむことは出来ないと感じました。
そう思わせる力強さを持った素晴らしい作品だと思います。
こちらもTBさせて頂きます。よろしくお願い致します。
Posted by any at June 13, 2005 23:49
anyさん、
コメント&TB有難うございます。
まさにおっしゃる通りです...本当に素晴らしい作品でしたね。
Posted by インフォシェルジュ at June 14, 2005 00:21
この映画もたいへん良さそうですね。
ただプロセスが悲しそうなので、躊躇して
います。
宇宙戦争とかスターウォーズは行きます。
Posted by 栗原敏彰 at June 14, 2005 09:25
お久しぶりです!!
私も、ミリオンダラーベイビー見ました〜

私個人の感想は、、、
悲しい物語だと思いました。
本当に最後涙が出て止まらなかったです。
Infociergeさんと同様、
私個人的にはラブストーリーよりも
生と死、挫折と栄光と挫折を考えさせられる
物語でした。
主人公の女性は、もともと恵まれた環境
ではないなか、自分の力で這い上がったと思ったら
また人生のどん底(というより寝たきり)になってしまう。
いくら、世話をしても床ずれがおきてしまう。。。
いくらなんでも報われないわ。
しかも、血の通った家族は、遺産のことしか
考えていない。。。。
なんていうか、、、
心がずっしりしてしまう最後でした。。。


Posted by Caoru at June 15, 2005 21:28
Caoruさん、こんばんは!

最後の30分は涙が溢れましたね...色々と考えさせられる静かで、深い映画でした。
Posted by インフォシェルジュ at June 15, 2005 21:45