February 16, 2005

目が覚めるような豪華シーンの連続-「オペラ座の怪人」

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「オペラ座の怪人」(映画)を観ました。

ご存知の方も多いと思いますが、「オペラ座の怪人」 は、「キャッツ」「エビータ」などの大ヒットミュージカルを世に送り出した天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーが自身の最高傑作と言っているミュージカルで、ガストン・ルルーの原作をもとに美しい旋律で綴った究極のラブストーリーです。映画版でもアンドリュー・ロイド=ウェバーは、プロデユ―サーと脚本を担当しています。

 

今回 映画版を見て思ったのは、舞台版の持つ独特の空気感、豪華な舞台を見事に継承するだけでなく、映画でしかなし得なかった、CGを駆使した幻想的な映像、絢爛豪華な舞台装置、ダイナミックな音楽、流麗なカメラワーク、そして俳優(ファントムの表情・演技力がアップで見られる)やこだわりが感じられるひとつひとつの小道具のアップ(オペラ座の上から落ちてくるファントムからの手紙をマダム・ジリーが拾うシーンや髑髏マークの赤い蝋で封印されてる手紙のアップ)の素晴らしさでした。

 

クリスティーヌが初めてファントムの住むところに導かれるシーンで、舞台版はスモークをたちこめた演出をしていたと思いましたが、水中から燭台が浮かび上がってくる幻想的なシーンを、映画では見事に再現しています。

 

それに、オープニングの1919年のパリのオペラ座ゆかりの品々のオークションのシーンで、補修されたシャンデリアのカバーが外され、そこに灯がともった瞬間、あの有名なテーマ曲が流れ、モノクロの画面が徐々に色づきはじめ、その色がシャンデリアがのぼっていくにしたがって鮮やかな色になり、オペラ座の中を吹き抜ける突風が埃とともに時間までも吹き払って、1870年代の全盛期の華麗なオペラ座へとワープするオープニングは鳥肌ものです(CGでこんな素敵な映像が出来るのですね)。このオープニングを見るために、もう一度映画を観たいくらいです。

 

また舞台版では描かれていなかった、ファントムの出生の秘密、父の墓地のシーン、ラウルとの決闘シーン、カルロッタがかえる声になった理由、そして感動のラストシーン、などのストーリーが加わっています。映画版はよりゴージャスで、よりロマンチックな「オペラ座の怪人」へと進化をしています。

監督は、「バットマン フォーエバー」「評決のとき」「依頼人」などを手掛けたジョエル・シュマッカー。稀有な映像センス(新しい時代をモノクロにする発想はすごい!)をはじめ、で、「オペラ座の怪人」をサスペンスとドラマの世界に導いています。

 

また、主役のファントム、クリスティーヌ(3オクターブの美声は素晴らしい)、ラウルの3人の素晴らしい歌唱力。ただ、ファントムは最初の方、かなりロックンロールな歌い方だったので一瞬不安がよぎりましたが、後半は大丈夫でした。ファントムのルックスは仮面をしても、仮面をはずした時も、舞台版よりは格好いいですね。仮面舞踏会でファントムが自作のオペラを持って登場するシーンでの、他の踊る人達との衣装の色の対比も考えた出で立ち(黒髪のオールバック、赤のベルベット地の軍服風スーツとロングマント、サーベル)は、ため息がでるほど格好いいです。また、最後のファントムのプチマスカレード(猿のオルゴール)があざといと思う人もいるかもしれませんけど、私は好きです。

 

ファントムは白いマスクと赤いバラがトレードマークなのに、舞台版はどこにも赤いバラがでてきませんが、映画版では、全編を通して意味をもたせて登場しています。

舞台版ではなかった、時間を超越したファントムの心が描かれているラストシーンは、切なく心に残る、私の好きなシーンです。

 

映画を観た後で、余韻に浸りたい方は、「オペラ座の怪人」オリジナル・サウンドトラックはいかがですか?映画の感動が鮮やかによみがえってきます。

DVDが待ち遠しいです。

 

さらに「オペラ座の怪人」の詳細が知りたい方は、オペラ座の怪人パーフェクトガイド」(日経BPムック)映画本編ダイジェスト、出演者インタビュー、メイキング映像など、1時間を超える秘蔵映像を収録したDVD付き(1,600円)でおすすめですよ。



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この記事へのコメント
この記事へのコメント、ではなく、全体的なコメントです。
更新の頻度が高いのに、記事の一つ一つの文章量も多いし、内容も濃く、洗練されてると思います。infociergeというコンセプトどおりのブログですね!これからも楽しみにしています。
Posted by kamimura at February 19, 2005 04:17
kamimura-san,
嬉しいコメントありがとうございます!楽しみながら、これからも頑張ります!
Posted by Infocierge at February 19, 2005 15:59
遅れ馳せながら、オペラ座の怪人見ました。音楽、映像が素晴らしく感動しましたが、観た後にこの記事をあらためて読んで、映画の余韻にひたっています。
Posted by keiko at March 06, 2005 22:53
うれしいコメントありがとうございます!素晴らしかったですよね...もう一度観たいです。
Posted by infocierge at March 06, 2005 23:39
TBありがとうございます。ようやく最近になって、生活がもとに戻り始めました。先月は、依存症状態でしたから。まだ先ですが、舞台も観に行くことにしています。そちらも楽しみです。
Posted by distan at March 11, 2005 00:46
distanさん、コメントありがとうございます。私も映画を観たら、また舞台もみたくなりました。
Posted by Infocierge at March 11, 2005 18:59
またまたトラックバックありがとうございます。
こちらほ方からもさせていただきました。

そうなんですよね、新しい時代がモノクロ、ほんとに最初から最後まで目が離せない映画でした。
私は3度足を運びました、何にそんなに惹かれたのか…、やっぱりファントムの孤独さと切なさだったのかも。
DVDが待ち遠しいです。
ジェラルド・バトラー、素敵な俳優ですよね、今後も注目したいです。
Posted by wata at March 28, 2005 21:53